太極拳上達の秘訣 No−5(1999/ 4/15)

《太極拳を学ぶ目的の明確化》
 目的は心身の鍛練、芸術性、護身術など色々あってよいが、太極拳本来のもつ魅力 を掘り起こして、太極拳のことをもっとよく知る必要があります。只形を覚えて普及 させるだけでは本来の目的からは完全にずれています。  いかに太極拳が優れているか をよく理解し、その上で練習方法を確立していくのですが、もっとも大事な事は自分の イメージをいれないことです。それが”敬をもつ”ということです。このことはしっかり 理解しておく必要があります。

《この現代になぜ太極拳なのか?》
 科学によって育まれた現代はまったく太極拳とは縁のないものなのか? 陰と陽に、はっきり と分かれた目にみえるこの世界は個体として永遠にあるようにかんじていますが、すべては陰と陽が 引き合う矛盾を統一する力、中庸、中気、などという目には見えていない地球、宇宙にある本来もつ力 によって造られているのです。 この矛盾を統一する力を太極といいます。人間のからだにはこの力 が存在し、このバランスを保つには現代はとても難しい状況にあります。肉体も精神も非常にひどい バランスのひとが増加しています。  だからこそ太極拳の練習はこの時代に生きるのです。戦乱の世に 思考錯誤して編み出された拳法はこの世の中でも花を咲かせるのです。

《この時代に太極拳を習得してどうするのか?》
 太極拳の太極の気象に帰る姿というのは頭には、何も思い入れを置かず、只、套路に集中する事です。 この太極の気象を日常生活にいかにずれ込ませるかが、太極拳習得者の力量であり、この物質文明に 犯された世の中だからこそ習得する必要があるのです。

《”精 気 神 虚”という言葉がありますが》
  高名な武術家、ト文徳老師曰く
   天に三つの宝あり、すなわち月、陽(日)、星
   地に三つの宝あり、すなわち木、土、火
   人に三つの宝あり、すなわち精、気、神

とこれを練習の段階にあてはめると・・・

有形(精)の段階;一つ一つの形を正しく学ぶ段階
   ↓ ”規矩をもってせざれば、方円を成すこと能はず”孟子

無形(気)の段階;始終流れのある段階、反復練習
   ↓ ”拳を打つこと万遍、神理自ずからあらわる。

心機(神)の段階;動きを感じなくなる段階=動中の静、形は忘れるためにある。 心の中に入る世界